チェルノブイリ「象の足」の現在とは?致死量の塊を撮影できた衝撃の真相
チェルノブイリ「象の足」の現在とは?致死量の塊を撮影できた衝撃の真相の背景について、分かりやすい解説を取りまとめてご紹介します。
1986年4月26日未明、チェルノブイリ原発4号機で実施された安全テスト中に原子炉が制御不能に陥り、連続して水蒸気爆発と水素爆発を起こしました。炉心は完全に破壊され、大量の放射性物質が大気中に放出されたこの惨劇の裏で、原子炉建屋の奥底では恐るべき物理現象が進行していました。
暴走した炉心の温度は2,000度以上に達し、ウラン燃料ペレット、ジルコニウム製の被覆管、グラファイト(黒鉛)減速材、さらには原子炉構造材や下部の防護コンクリートまでもがドロドロに溶融しました。これらが混ざり合って形成された人工的な溶岩状の物質を、原子力工学では「コリウム(Corium)」と呼びます。
溶融したコリウムは猛烈な高熱と重みで原子炉圧力容器の底を突き破り、配管や蒸気ダクトを伝って地下フロアへと流れ落ちました。事故から約8か月後の1986年12月、調査チームが4号機地下217号室で発見したのが、冷えて固まった黒褐色の巨大な塊でした。その皺の寄った形状と巨大さから、作業員たちは畏怖を込めて「象の足」と名付けたのです。質量は推計で約2トン、幅約2メートル以上にも及ぶこの塊は、制御を失った核エネルギーの暴走の爪痕そのものでした。