出産費用の自己負担平均はいくら?一時金50万円でも手出しが出る理由
SNSや大手育児コミュニティ、知恵袋などに寄せられる当事者の手記や退院時の明細報告を調査すると、見積もり書段階では見落とされがちな「追加出費の罠」が浮き彫りになります。
都内の個人クリニックで第一子を出産した30代女性は、当時の明細書を振り返りながら次のように打ち明けます。
「当初の説明では『一時金利用で手出しは約8万円』と言われていました。しかし、陣痛促進剤を2日間にわたり使用し、深夜の緊急搬送に近い形で日曜日に出産した結果、休日・深夜加算と追加薬剤費で一気にプラス11万円。さらに赤ちゃんの黄疸治療で保育器利用料が加わり、退院時の精算は23万円の手出しになりました。命が無事だったことが最優先とはいえ、退院当日のカード決済額を見て息を呑みました」
現場の産科医療関係者からも、現場維持の苦渋の決断が語られます。首都圏の産科医院に勤務するベテラン助産師は次のように証言します。
「産科医療補償制度の掛金負担や、24時間体制で麻酔科医・小児科医を確保するためのコストは年々膨らんでいます。産科施設の閉院が全国で進むなか、医療事故を防ぎ安全な分娩環境を維持するためには、相応の分娩管理料を設定せざるを得ないのが医療現場の偽らざる実態です」