村本大輔がNyで掴んだ真相|渡米の理由とコンビの現在地
村本大輔が海を渡った動機を紐解く上で欠かせないのが、THE MANZAI優勝歴を頂点とする日本での実績と、その後に生じた表現上の葛藤です。
2013年に漫才日本一の座に輝いた後、ウーマンラッシュアワーの漫才は年を追うごとに変化を遂げました。原発問題、沖縄の基地問題、被災地の現状、日朝関係など、従来の民放バラエティが避けてきたセンシティブな時事問題をマシンガンのごとき超高速テンポで叩きつけるスタイルへと進化していったのです。
『THE MANZAI』の特番で披露されたこれらの時事ネタ漫才は、ネット上で賛否両論の大激論を巻き起こしました。「芸人が社会問題に切り込む姿に勇気をもらった」という賞賛の一方で、「笑いに政治を持ち込むな」「お笑い番組で説教されたくない」といった強い反発も噴出しました。
当時の手記や独白企画において、村本は「日本では社会的な意見を言うだけで芸人としての居場所が狭まる。自分の思いをそのまま笑いに昇華できる土壌はアメリカにあるのではないか」という趣旨の告白を残しています。自らの表現欲求と日本のお笑い界の暗黙のルールとの間で生じた摩擦こそが、渡米を決断させた最大の原動力でした。