「島人ぬ宝」の本当の意味とは?教科書にない沖縄の魂と制作秘話

「島人ぬ宝」の本当の意味とは?教科書にない沖縄の魂と制作秘話についての疑問解決ガイドをお届けします。

この名曲の核心に迫る上で欠かせないのが、誕生過程における異例の泥臭いアプローチだ。当時、沖縄の言葉や伝統文化を次世代へどう継承するかという大きな壁に直面していたBEGINのボーカル比嘉栄昇は、自らの故郷である石垣島へと足を運んだ。彼が向かったのは、母校である石垣市立石垣中学校である。そこで比嘉は、中学生たちに一冊のノートを渡し、「島について知らないこと、疑問に思うこと、島への思い」を素直に書き綴るよう頼み込んだ。

集まったノートに目を通した比嘉は、胸を突かれる思いを抱く。そこに並んでいたのは、観光パンフレットに載るような言葉ではなく、「教科書に載っていることだけじゃ本当の沖縄はわからない」「テレビで流れる沖縄と自分たちの暮らしは違う」という、等身大の若者たちの苦悩と戸惑いだった。歌詞の冒頭で歌われる「教科書に書いてあることだけじゃわからない」というフレーズは、大人が作った仕掛けではなく、まさに石垣島の中学生たちが放った切実な心の声そのものだったのだ。

関連記事