反物とは何か?プロが明かす一反の真実と眠る布の驚くべき活用術
反物(たんもの)とは、着物や帯、長襦袢などに仕立てる前の、一定の規格で織られた巻物状の布地を指します。一方、着物とはその反物を着用者の体型に合わせて裁断し、縫製して完成させた「衣服」そのものです。
洋服の生地が大きな面積を持つ「平織りの布」から型紙に合わせて曲線で切り抜かれるのに対し、和服の反物はあらかじめ着物のパーツ(身頃、袖、衿、衽)を無駄なく切り出せる一定の幅で織り上げられています。この無駄を出さない設計思想こそが、日本の伝統織物の真骨頂といえます。
和装の世界では、着用者の体格に合わせて仕立てる「誂え(あつらえ)」が本来の基本です。反物の状態で流通している理由は、着る人の裄丈(ゆきたけ)や身丈(みたけ)にぴったり合わせられるだけでなく、将来体型が変わったり、子供や孫へ受け継いだりする際に「ほどいて仕立て直す(寸法を変える)」ことを前提としているためです。