風邪薬で血圧が上がるのはなぜ?高血圧でも飲める市販薬の選び方
「西洋薬の総合感冒薬は副作用が怖いが、生薬でできた漢方薬なら安心だろう」と考え、風邪の引き始めに葛根湯(かっこんとう)や麻黄湯(まおうとう)、小青竜湯(しょうせいりゅうとう)を買い求める人が多く存在します。しかし、この自己判断には重大なリスクが潜んでいます。
風邪の初期によく用いられるこれらの漢方薬には、主薬として生薬の麻黄(マオウ)が配合されています。麻黄の主成分はエフェドリンであり、これは化学合成されたメチルエフェドリンの天然型そのものです。そのため、麻黄の血圧への影響は西洋薬の血管収縮成分と同等であり、末梢血管を収縮させて心拍数を跳ね上げます。日本高血圧学会のガイドラインや医薬品添付文書上でも、重症高血圧患者における麻黄含有製剤の使用は原則として禁忌または慎重投与に指定されています。
さらに見落とされがちなのが、多くの漢方薬に含まれる甘草(カンゾウ)です。甘草の主成分であるグリチルリチン酸を過剰・長期に摂取すると、体内にナトリウムと水が貯留し、カリウムが排泄される「偽アルドステロン症」を引き起こします。これにより、持続的な血圧上昇やむくみ、筋力低下が生じるため、漢方薬と高血圧の併用注意ルールは西洋薬以上に厳格な警戒が必要です。