冨田真由さん刺傷事件の全貌と現在|防げなかった警察対応と裁判記録

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この事件が社会に強い憤りをもたらした最大の要因の一つが、警察対応の重大な不手際です。冨田さんは凶行に遭う前、自ら警察署へ足を運び、切迫した危機を訴え出ていました。

事件発生の約2週間前となる2016年5月9日、冨田さんは母親とともに警視庁武蔵野警察署を訪問。岩埼受刑者からSNS上で「死ね」などの脅迫めいたメッセージが執拗に届いている画面を提示し、「ライブ会場で待ち伏せされるかもしれない」「殺されるかもしれない」と身の危険を明確に伝えていました。

しかし、武蔵野警察署の担当者は事態の切迫性を著しく過小評価しました。ストーカー事案を取り扱う専門部署への引き継ぎを怠り、冨田さんに対して「ライブ当日に何かあったら110番通報するように」と指示するにとどまったのです。さらに致命的だったのは、ライブハウスを管轄する小金井警察署への情報共有を行わず、会場周辺の警戒パトロールの手配すら行っていなかった点です。

事件当日の110番通報時にも混乱が生じました。冨田さん自身が襲撃の直前に発信した通報に対し、位置情報の把握が遅れ、警察官が現場に到着したときにはすでに凶行が行われた後でした。警視庁は後に最終検証結果を公表し、「危険性の判断を誤り、組織的な対応を怠った」として公式に謝罪しましたが、防ぐことができたはずの被害を防げなかった警察の不作為は、厳しく批判される結果となりました。

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