個人事業主の請求書は消費税なし?免税事業者の合法性と損しない書き方
インターネット上の掲示板やSNSでは、時折「免税事業者が消費税を請求するのは詐欺だ」「納税しないのに消費税を受け取るのは『益税』であり違法だ」といった過激な誤認が散見されます。しかし、これは消費税の本質的な仕組みを誤解した論説に過ぎません。
司法の判断においても、東京地裁平成2年3月26日判決などで「消費税は事業者が対価の一部として受け取るものであり、預り金そのものではない」と判示されています。つまり、請求書に記載される消費税相当額は「国へ納付するために預かっている金銭」ではなく、提供した役務や商品の「本体価格を構成する一部」という位置づけです。
免税事業者であっても、業務で使用するパソコンの購入代金、通信費、交通費、仕入れなどには消費税(10%や軽減税率8%)を支払っています。もし請求書を「消費税なし」にしてしまえば、自分が支払った消費税分を自己負担することになり、赤字を垂れ流す構造に陥ってしまいます。仕入れにかかったコストを回収するために請求額へ消費税相当額を反映させる行為は、経済活動として完全に正当化される権利です。