ただ今より毒ガス訓練を開始する」元ネタは自衛隊?アニメ?噂の真相を徹底解説
この話題を掘り下げる上で、多くの人が見落としている重要な法的事実があります。それは、自衛隊が訓練で使用している薬剤は国際法上の「毒ガス(致死性化学兵器)」ではないという点です。
日本は1995年に「化学兵器禁止条約(CWC)」を批准しており、サリン、VX、マスタードガスといった致死性化学兵器の製造、保有、使用は厳格に禁止されています。自衛隊の防衛出動や教育訓練において、隊員を殺傷するような毒ガスを散布することは法的にあり得ません。訓練で使用されるのは、警察の警備や暴動鎮圧でも使用が認められている非致死性の催涙剤(CSガス)です。
しかし、防護服やガスマスクを身にまとう異様なビジュアルと、マスクを外した際の激しい苦悶の表情から、一般隊員や世間一般では親しみを込めた(あるいは恐怖を込めた)俗称として「毒ガス訓練」という表現が定着してしまいました。この誇張された表現がネット掲示板の毒ガス体験 なんJスレッドなどで面白おかしく語り継がれ、いつしか現実の訓練とネットスラングの境界線が曖昧になっていったのです。