ほん怖「赤い服の女」元ネタの怪異と制作陣が語る未公開裏設定
『ほんとにあった怖い話』シリーズの映像美学を決定づけた立役者といえば、Jホラーの父と呼ばれる映画監督の鶴田法男を外して語ることはできない。鶴田が持ち込んだ革新的な手法は、陰惨な青や灰色を基調とする日本の怪談世界に、あえて劇的な「赤」をぶつけるという禁じ手だった。
日本の湿った空気感において、赤は本来、警戒色であると同時に生々しい肉体や血を想起させる。日常的な風景の中に忽然と現れるその色彩の異物感。幽霊が叫ぶわけでもなく、急激に画面に飛び出してくるわけでもない。ただそこに佇み、静かにこちらを見つめている。鶴田演出の真骨頂である「間」の恐怖が、色彩のコントラストと完璧に融合した瞬間だった。静寂の中で増幅される心臓の鼓動。視覚的な違和感がじわじわと脳の奥深くまで侵食していく構造は、現代のホラー映画演出にも多大な影響を与え続けている。