『半沢直樹』黒崎検査官のオネエ口調と急所掴み!片岡愛之助が明かす真相
池井戸潤の原作小説における黒崎駿一は、プライドが高くヒステリックで、どこか神経質なエリート官僚として描かれていました。しかし、ドラマ版で片岡愛之助が体現した黒崎は、一度見たら忘れられない強烈なオネエ言葉を操る異色のキャラクターへと昇華されていました。
制作関係者の証言や当時のインタビューによると、このオネエ口調は演出を手掛けた福澤克雄監督の強いこだわりとディレクションによって誕生しました。重厚な経済ドラマの中に際立つフックを作るため、福澤監督から「オネエ調で、徹底的にネチネチと追い詰めてほしい」というリクエストを受けた愛之助は、歌舞伎の女形とは異なる「現代劇における迫真のオネエ官僚」の声のトーンや抑揚を一から研究したと明かしています。低音の威圧感と甲高い語尾の落差が、冷酷な官僚機構の恐ろしさとエンターテインメント性を同時に引き出す結果となりました。
そして、視聴者の度肝を抜いたのが、無能な部下に対して無言で股間を鷲掴みにする通称「急所掴み(股間掴み)」のシーンです。この過激なアクションは、台本に細かく指定されていたものではなく、現場のリハーサルで福澤監督と愛之助が「言葉以上に恐怖とプレッシャーを伝える体罰的リアクションはないか」と模索する中で生まれたアイデアでした。
愛之助自身がテレビ番組で語った裏話によると、急所掴みには現場ならではの厳格な配慮とルールが存在していました。怪我を防ぐため、掴まれる側の役者は股間にカップなどのプロテクターを装着して撮影に臨んでおり、愛之助は「思い切り力を込めて掴んでいるように見せる歌舞伎の所作(手の脱力と握りの見せ方)」を応用していたのです。テスト段階から若手俳優たちが本気で怯え、引きつった表情を浮かべたことで、あの唯一無二の緊張感が映像に焼き付けられました。