奈良・中谷堂のよもぎ餅が世界を魅了する秘密と高速餅つきの全貌
奈良・中谷堂のよもぎ餅が世界を魅了する秘密と高速餅つきの全貌の要点を分かりやすくまとめてご紹介します。
中谷堂の店頭に漂う青々としたよもぎの香り。吸い寄せられるように行列へ並ぶ人々の目当ては、きな粉をたっぷりと纏った緑鮮やかなよもぎ餅です。一口かじれば、赤ちゃんの肌のように柔らかく、それでいて心地よいコシを持った生地が伸び、中から上品な甘さの小豆が溢れ出します。
この比類なき食感を生み出す源泉こそが、代名詞である「高速餅つき」です。テレビ番組の餅つき選手権で日本一に輝いた実績を持つこの技は、決して観光客を喜ばせるための見せ物ではありません。熱々の蒸したて餅米が持つ熱量を逃さず、冷めて硬くなる前に一気に突き上げるための「味覚の必然」から生まれた職人技なのです。
餅米の温度が下がるとデンプンの老化が始まり、食感にざらつきが生じます。そのため、1秒間に数回という凄まじいスピードで合いの手と杵を交差させ、蒸気とともに水分と空気を絶妙に抱き込ませることで、唯一無二の滑らかさと強い粘りを実現しています。使われている素材も一級品揃いです。香りの主役であるよもぎは、主として愛媛県宇和島産の天然よもぎを採用。餅米には宮城県産のみやこがねもち、餡には北海道十勝産の極上小豆を使用し、甘さ控えめの瑞々しい粒あんに仕上げられています。素材の純度と物理的な熱効率を極限まで追求した結果が、言葉の壁を越えて世界中の人々を唸らせる理由です。