フェニルケトン尿症とは?新生児検査陽性の理由と食事制限・最新治療法
全国の産科医療機関で生後4〜6日頃に行われる「新生児マススクリーニング」では、かかとから微量の採血を行い、代謝異常の有無を網羅的に検査します。フェニルケトン尿症の項目で陽性判定となるのは、血液検査の基準値である血中フェニルアラニン濃度が通常(約1〜2mg/dL未満)を大幅に超えて上昇しているためです。ただし、初回の陽性判定はあくまで「疑い」であり、未熟児の一過性高値もあるため、必ず精密検査で確定診断を行います。
もし治療を行わずに放置した場合、分解できないフェニルアラニンが血液中や脳組織に過剰蓄積し、中枢神経系に深刻なダメージを与えます。生後数か月頃から発達の遅れが目立ち始め、重度の知能障害やけいれん発作、興奮状態などのフェニルケトン尿症の症状が現れます。また、チロシン不足に伴いメラニン色素が十分に作れなくなるため、赤茶色の毛髪や色白の肌になり、尿中に排泄される異常代謝物によって「ネズミ尿臭」と呼ばれる特有のカビ臭が生じる点も特徴です。しかし、生後数週間の段階で治療を開始できれば、これらの神経症状はほぼ完全に防ぐことが可能です。