名優・小日向文世の妻は劇団の後輩?歳の差婚と息子たちの絆を追う
劇団オンシアター自由劇場が1996年に解散すると、小日向文世を襲ったのは無収入という過酷な現実だった。40代を迎えても映像作品からのオファーは乏しく、給料日に口座残高を確認しても数字がまったく増えていない月が何年間も続いた。借金は膨らみ、一時は事務所や知人からの支援に頼らざるを得ない窮状に追い込まれた。
そんなドン底の状況においても、妻が彼を責めることは一度もなかった。「なんとかなるよ」という大らかな励ましと笑い声が、焦燥感に押し潰されそうになっていた彼の心を何度も救ったという。事務所から借り入れた生活費で食卓をやりくりし、夫が役者を続けられる環境を守り抜いたのは妻の深い愛にほかならない。
30年以上が経過した現在でも、彼の愛妻家ぶりは芸能界で有名だ。仕事で外出する際には必ずハグや口づけを交わし、感謝の言葉を日常的に口にする。どんなに多忙を極めても、妻との会話の時間を最優先にする姿勢は変わらない。どん底の時代に手を取り合った経験が、揺るぎない夫婦の絆を形作っている。