目黒雅叙園は閉館した?真相とホテル雅叙園東京の現在を徹底検証
目黒雅叙園の象徴であり、旧館の歴史を今に伝える唯一無二の木造建築が、1935年(昭和10年)に建てられた通称「百段階段」です。2009年に東京都指定有形文化財に指定されたこの壮麗な建築は、2026年現在も「百段階段の見学」として企画展の形式で一般公開されています。
「百段階段」とは、実際には99段の緩やかな欅(けやき)の階段廊下で結ばれた7つの部屋の総称です。なぜ100段ではなく99段なのかという点については、「奇数は縁起の良い陽数であるため」「完結させず未完にしておくことで、さらなる発展の余地を残すため」といった創業者の粋な美意識が語り継がれています。階段で結ばれた各部屋には、鏑木清方や荒木十畝をはじめとする昭和初期の巨匠日本画家たちが描いた息を呑む天井画、欄間絵、そして贅を尽くした螺鈿(らでん)細工や組子細工が壁一面に広がっています。
現在行われている見学は、単なる静態保存された建物の鑑賞にとどまりません。季節ごとにテーマを変えた大型企画展が常時開催されており、夏期には幽玄な灯りが空間を彩る「和のあかり展」、早春には日本全国の名品が集う「ひなまつり展」などが展開され、連日多くの観光客やアートファンで賑わっています。入場チケットは企画展ごとに大人1,500円〜1,800円前後で販売されており、ホテル宿泊者でなくても公式オンラインチケットや当日窓口で購入して誰でも見学可能です。靴を脱いで歴史ある木造廊下を踏みしめ、昭和初期の大工や絵師たちの魂に触れる体験は、他の最新型ホテルでは絶対に味わえない圧倒的な迫力を持っています。