なぜ爆発?ホタルイカの天ぷらで油はねを防ぐ下処理とサクサク揚げる秘訣
破裂のメカニズムが解明されている以上、対策は極めて論理的です。老舗天ぷら職人や魚介調理のプロが口を揃えるホタルイカ下処理目玉くちばし取り方の手順を踏むだけで、油跳ねの恐怖は大幅に解消されます。下処理において必ず除去すべきは「目玉」「くちばし(カラストンビ)」「軟骨(軟甲)」の3箇所です。
第一の急所である目玉は、単に黒い球体をつまむだけでは不十分です。ピンセットや骨抜きを使い、黒い眼球の奥にある薄皮(膜)ごと完全にくり抜くことが絶対条件となります。膜が残っていると微細な水分が閉じ込められたままになり、油の中でパチンと跳ねる原因になるからです。
続いて、足の中央に位置するくちばしを指で押し出して取り除きます。これらは食べたときの硬い異物感をなくすだけでなく、隙間に溜まった水分を逃す重要な役割を果たします。さらに、胴体の背側に入っている透明な軟骨をつまんで引き抜けば、身の縮みによる急激な内圧上昇を和らげることができます。
そして仕上げに欠かせないのが「脱水」のひと手間です。下処理を終えたホタルイカに軽く塩(約1%濃度)を振って5分ほど置き、浸透圧によって内部の余分な水分を浮き出させます。その後、キッチンペーパーを2〜3枚重ねて上下から挟み込み、手のひらで包み込むように優しく押さえて完全に水分を拭き取ります。この入念な脱水工程こそが、爆発を防ぐ最大の防波堤となります。