ニュースの変死体とは?事件性の有無や警察の検視・解剖手順と真実

ニュースの変死体とは?事件性の有無や警察の検視・解剖手順と真実について専門的な視点から解説いたします。最新の情報をご覧ください。

大手新聞社やテレビ局、主要ポータルサイト(Yahoo!ニュースやライブドアニュースなど)の事件速報で「変死体」という言葉が多用される背景には、警察の広報発表基準とメディアの報道プロトコルが関係しています。

遺体が発見された直後の段階では、現場に争った形跡があるのか、外傷が存在するのか、あるいは持病の発作による病死なのかを科学的に断定できません。警察が現場臨場を行い、検視官や鑑識係が詳細な確認を終えるまでは、公式発表において「変死体発見事案」として処理されます。報道各社はこの警察発表を一次ソースとして速報を打つため、見出しに「変死体」という厳めしい語句が並ぶことになります。

警察庁が公表している『死体取扱状況』の最新統計を分析すると、警察が取り扱った不自然死事案のうち、実際に殺人や傷害致死といった凶悪犯罪(事件性あり)と断定される割合は全体の1%未満に過ぎません。残りの99%以上は、病死(内因性急死)、不慮の事故死、自殺、あるいは死因不詳です。

捜査が進み、現場検証や薬物検査、病理検査によって他殺の可能性が完全に消去されると、警察の広報事案としての優先度は下がります。その結果、第一報で「変死体発見」と大々的に報じられた後、続報として「事件性はなく病死と判明」と短く扱われるか、あるいは続報自体が出ずに報道が終息するため、世間には「変死体=凶悪事件」という印象ばかりが強く残ってしまうのです。

関連記事