おでんの牛すじ下処理で失敗する原因は?臭みゼロとトロトロの極意
下茹でを終えた牛すじを、いかに短時間で極上の柔らかさに到達させるか。ここで最も頼りになる道具が圧力鍋です。通常の鍋では2〜3時間かかる煮込み作業を、高圧高温の力で劇的に短縮できます。
しかし、「圧力鍋を使ったのにパサパサになって崩れた」「固くて失敗した」という声も少なくありません。牛すじを圧力鍋で柔らかくする方法には、厳密な加圧時間と減圧のルールが存在します。
高圧タイプの圧力鍋を使用する場合、下茹で済みの牛すじ、水、少量の酒、薄切り生姜を入れ、ピンが上がってからの加圧時間は20分〜25分が理想的です。アキレスなど極めて硬質な部位であっても30分を超えて加圧すると、筋繊維の結束が完全に崩壊し、出汁の中で肉が粉々に分解してしまいます。
そして最も重要な技術が「急冷を避け、ピンが自然に下がるまで完全に放置する」ことです。圧力を強制的に抜く急速減圧を行うと、肉の内部にあった水分が急激な沸騰とともに吹き飛び、スポンジ状にパサついた食感になってしまいます。自然減圧の過程(約15〜20分)で、鍋内が80℃前後のコラーゲンゼラチン化ゾーンをゆっくり通過し、煮汁の水分と旨味が肉の繊維内へと再吸収されます。この自然冷却プロセスを経て初めて、箸ですっと切れるトロトロの食感が完成します。