日大危機管理学部は就職できない?警察・大手実績と噂の真相
Googleの検索窓に学部名を入れると、サジェストワードに「就職 できない」「後悔」といったネガティブな言葉が並ぶ現象が見られます。これを目にした受験生や保護者が不安を抱くのは無理もありません。しかし、大学通信や文部科学省の就職状況調査、日本大学が公表している進路データを精査すると、学部の実就職率は毎年95%〜98%前後と、文系学部の中でも極めて高い水準で推移しています。
では、なぜ「就職できない」という正反対の噂が一人歩きしてしまったのでしょうか。現場関係者への取材や情報空間の動向を分析すると、主に3つの理由が浮かび上がってきます。
第一に、「危機管理」という耳慣れない学部名がもたらす認知バイアスです。伝統的な「法学部」「経済学部」と異なり、新設当初は企業の採用担当者が「具体的に何を学んできた学生なのか」を即座にイメージしにくい側面がありました。そこから「民間企業で潰しが利かないのではないか」という先入観が受験生掲示板やSNSで増幅された経緯があります。
第二に、公務員志望者が極めて多い学部ならではの「浪人・留年リスク」の可視化です。警察官や消防官、行政職を志望する学生が多い中、万が一公務員試験に最終合格できず、民間の就職活動の準備も遅れてしまった一部の卒業生が、ネットの質問掲示板などで「進路に困った」「この学部は危険」といった悲痛な声を投稿したケースです。そうした限定的な体験談がアルゴリズムによって拡散され、全体の印象として固定化されていきました。
第三に、過去に日本大学全体を揺るがした一連の大学ガバナンスをめぐる報道や騒動です。大学全体のブランドイメージが毀損された時期に、「日大のなかでも特に危機管理を冠する学部はどうなっているのか」という皮肉交じりの関心がネット上で集まり、事実無根の就職不安説へと結びつけられた背景も見逃せません。