ルミノール反応とは?微量な血痕が青白く光る仕組みと偽陽性の真相
極めて鋭敏なルミノール反応ですが、決定的な弱点が存在します。それが「偽陽性(ぎようせい)」、つまり血液以外の物質に触れても光ってしまう現象です。
触媒として作用する物質は、ヘモグロビン内の鉄イオンだけではありません。以下のような日常的な物質でも、ルミノール試薬は同様の発光を示します。
- 塩素系漂白剤・次亜塩素酸ナトリウム:家庭用漂白剤は酸化作用が非常に強いため、触媒なしでもルミノールを急速酸化させ、強い発光を引き起こします。
- 銅・鉄などの金属イオン:銅線、真鍮、サビた鉄、水道管の金属カスなども触媒として機能します。
- 野菜・果物(大根、西洋ワサビなど):ペルオキシダーゼと呼ばれる酸化還元酵素を含む植物片も、過酸化水素を分解して発光を促します。
犯人が証拠隠滅のために塩素系漂白剤を撒いて床を掃除した場合、ルミノール試薬を吹きかけると一面が激しく発光します。しかし、それは血液に反応したのではなく漂白剤による偽陽性である可能性が排除できません。そのため、鑑識の現場では「ルミノールが光った=即座に殺人現場の血痕」と断定することは絶対にありません。