ミルキーウェイは星座と何が違う?勘違いされる決定的な理由と真相を徹底解説
天の川と星座は別物ですが、夜空でミルキーウェイを探す上で「星座」は最高の道しるべとなります。特に夏の夜空では、ミルキーウェイの最も濃密な部分と代表的な星座たちが緊密に連動しています。
観測の起点となるのが、頭上に大きく輝く「夏の大三角」です。夏の大三角を構成するのは以下の3つの1等星です。
- こと座のベガ(織姫星:青白く最も明るい)
- わし座のアルタイル(彦星:ベガの南方に位置)
- はくちょう座のデネブ(大三角の中で最も北寄りに輝く)
天の川は、ベガとアルタイルの間を抜け、はくちょう座の胴体を真っ直ぐ貫くように流れています。はくちょう座のデネブから十字に広がる主星の並びは、まさに天の川の奔流を泳ぐ白鳥そのものの姿を夜空に描き出しています。このはくちょう座付近の天の川には、星間ガスや塵が背後の星明かりを遮る「グレート・リフト(天の川の裂け目)」と呼ばれる暗黒帯が肉眼でも明瞭に確認できます。
そのまま視線を南の地平線方向へと下ろしていくと、巨大な弓を引く半人半馬の姿をした「いて座」と、毒針を天に向けた「さそり座」に行き当たります。
天文学的に最も重要なハイライトは、まさにこの「いて座の方向」にあります。いて座の方向は、天の川銀河の中心部(コア)が存在する方角です。中心部には太陽の約400万倍の質量を持つ超大質量ブラックホール「いて座A*(エースター)」が鎮座し、その周囲には天の川銀河の中で最も過密な星の集団と星間ガスが渦巻いています。
そのため、夏の夜空で見える天の川は、南の地平線に近づく「いて座」付近が最も幅広く、そして最も濃く明るく輝きます。天の川が南天でひときわ濃密に光り輝いているのを見るとき、私たちは文字通り銀河の中心の鼓動を肉眼で直視しているのです。