南極観測船ふじの歴史と現在|リアルすぎる船内人形や見学の魅力を徹底取材
「ふじ(艦番号AGB-5001)」は、木造船を大改修して奇跡の航海を続けた初代観測船「宗谷」の後継として、1965年(昭和40年)に就役しました。宗谷の限界を超えるべく、日本で初めて一から設計・建造された本格的砕氷艦であり、運用は海上自衛隊が担当。海上自衛隊員と国立極地研究所をはじめとする南極地域観測隊が一体となり、白瀬矗中佐以来の極地探求のバトンを受け継ぎました。
1965年の第7次南極地域観測隊から1983年の第24次観測隊まで、計18回にわたり過酷極まる南極航海任務を完遂。厚さ数メートルにも及ぶ巨大な氷を連続砕氷およびラミング(体当たり砕氷)で突き破り、氷海に閉ざされた昭和基地への補給路を切り拓き続けました。
18年間にわたる激務を経て、老朽化と輸送能力拡大の要請から後継艦である「初代しらせ(AGB-5002)」へ任務を継承し、1984年に惜しまれつつ退役。その後、数々の候補地の中から文化財としての保存環境や海事教育の拠点としての適性を評価され、1985年より名古屋港ガーデンふ頭での一般公開がスタートしました。