首マッサージで死亡事故?脳梗塞を招く危険手技の真相と医学的盲点
民間療法や整体院などで、首を急激に「パキッ」「ボキッ」と捻って音を鳴らす施術を受けた経験がある方もいるかもしれません。この手技は専門用語で「頸椎スラスト法(高速低振幅アジャストメント)」と呼ばれます。
瞬時に首の可動域が広がったような錯覚や爽快感を覚える人がいる一方で、医療関係者の間では長年にわたりその危険性が厳しく告発されてきました。事実、厚生労働省は平成3年(1991年)10月4日付けの通達(医事第51号)において、以下のように明確な注意喚起を発出しています。
「カイロプラクティック療法の手技のうち、医業類似行為の手技等に対する指導取締りについて、特に頸椎に対する急激な回転伸展操作を加える手技(スラスト法)は、患者の身体に危険を及ぼすおそれが極めて高いため、行わせないよう指導すること」
国の行政指導として30年以上も前から明確に禁止・自粛が求められているにもかかわらず、無資格の整体院や一部の施術者が「即効性のある骨格矯正」と銘打って危険な手技を続けている現状があります。海外の医学論文や国内外の報道でも、カイロプラクティックの施術直後に椎骨動脈解離を発症し、20代〜40代の若年層が命を落としたり四肢麻痺に陥ったりした事例が多数報告されています。