水通しとは?赤ちゃん服の安全対策から布地の縮み防止まで完全網羅
手芸や洋裁における水通しの主目的は、「洗濯収縮(ウォッシュシュリンク)の解消」と「布目(織り糸)の歪みを正す地直し」です。
綿(コットン)や麻(リネン)などの植物系天然繊維は、糸を紡いで織り上げる工程で強いテンション(引っ張り)がかかっています。この状態の布が初めて水を含むと、糸の緊張が解けて本来の長さに戻ろうとし、繊維が大きく縮みます。一般的な収縮率は、綿で3〜5%(ダブルガーゼ等は5〜8%)、リネンでは5〜10%前後に達します。裁断前に水通しをして収縮させ切っておかなければ、正確な寸法の型紙通りに裁断しても、完成品が使い物にならなくなります。
素材別の水通し時間と処理方法
・コットン(綿・ダブルガーゼ):水またはぬるま湯に30分〜1時間程度浸します。ダブルガーゼは織り目が甘く縮みやすいため、揉まずに静かに浸漬させます。
・リネン(麻):収縮が非常に大きいため、1〜2時間程度しっかり水を含ませます。リネンは強いシワが入るとアイロンでも取れにくくなるため、脱水機にはかけず、軽く水気を切って陰干しします。
・化学繊維(ポリエステル・ナイロンなど):吸水性が低く洗濯による収縮がほぼないため、原則として水通しは不要です。
・ウール・シルク:水に浸けると繊維が縮絨(フェルト化)したり光沢が失われたりするため、一般的な水通しは厳禁です。必要に応じて当て布をしたスチームアイロンによる地直しを行います。
アイロンによる「地直し」のやり方
水通しをして陰干しし、完全に乾ききる前の「半乾き(生乾き)」の状態でアイロン台に乗せます。布の縦糸と横糸が直角に交わるよう手で整えながら、布目を通すようにスチームアイロンを縦・横の方向にまっすぐ滑らせます。斜めにアイロンを当てると布が伸びて歪みの原因になるため注意してください。