心電図の不完全右脚ブロックは放置Ok?健診結果の真相と受診基準

心電図の不完全右脚ブロックは放置Ok?健診結果の真相と受診基準の具体的な内容に迫る! わかりやすい言葉でご紹介しています。

心臓は、微弱な電気信号が規則正しく筋肉へ伝わることでリズミカルに拍動を繰り返しています。この指令室となるのが右心房の上部にある「洞結節(どうけっせつ)」です。洞結節から生み出された電気刺激は、房室結節、ヒス束を経由し、心室へ向かう段階で「右脚(うきゃく)」と「左脚(さきゃく)」という二股の電線に枝分かれします。このうち、右心室側へと伸びる右脚の電線において、信号の通りが通常よりわずかに遅延している状態を「右脚ブロック」と呼びます。

臨床現場において、医師は心電図用紙に描かれる「QRS波」と呼ばれる波の横幅(時間)をミリ単位で計測し、病態を峻別しています。医師向け医療専門情報メディアなどの診断基準によると、分類の分水嶺は極めて明確です。

  • 不完全右脚ブロック:QRS幅が0.10秒以上〜0.12秒未満(心電図の小マス2.5〜3マス未満)。信号の遅れがごく軽度にとどまる状態。
  • 完全右脚ブロック:QRS幅が0.12秒以上(小マス3マス以上)。右脚の伝導が完全に遮断され、左室側から回り込むように右室へ電気が伝わる状態。

心電図上では、右側の誘導(V1誘導など)に「RSR'パターン」と呼ばれるウサギの耳のような特徴的な二峰性の波形が出現します。文字面が似ているため「完全房室ブロック」と混同し、取り乱してしまう受診者が後を絶ちません。一般社団法人日本循環器協会が公式見解で明示している通り、心房と心室の連絡が途絶えてペースメーカーの埋め込み手術が必要となる完全房室ブロックと、心室内の片側の伝導遅延に過ぎない右脚ブロックは病態の成り立ちが根本から異なります。不完全右脚ブロックが進行して突然房室ブロックへ移行するわけではないため、過度な恐怖を抱く必要はありません。

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