選択的夫婦別姓はなぜ進まない?議論の現在地と論点を徹底解説
国際社会における夫婦の姓に関する法制度は多様ですが、「法律によって夫婦同姓を義務付けている国」は日本以外に存在しません。
欧米諸国では、伝統的に同姓が一般的だった国々(アメリカ、イギリス、ドイツなど)においても、個人の権利意識の高まりや法改正を経て、同姓・別姓・結合姓(両者の姓をハイフンで繋ぐ形式)などを自由に選べる「選択制」が定着しています。フランスでは原則として生まれた時の姓が生涯変わりません(通称として配偶者の姓を使用可能)。また、中国や韓国などの東アジア諸国では、血統を重視する歴史的背景から「別姓原則」が採られています。
こうした国際的標準と日本の現状の乖離に対し、国連の女子差別撤廃委員会(CEDAW)は日本政府に対し、2003年、2009年、2016年、そして直近に至るまで複数回にわたり民法改正を勧告しています。国連機関からは「女性に改姓を強いる実質的な差別構造であり、国際人権規約上の義務に反する」と厳しい指摘を受け続けており、日本の法制度の遅れは外交的な課題としても浮上しています。