戦後80年の亀裂:『サンフランシスコ平和条約』排除の記憶と中国が掲げる新国際秩序の脅威【2026年最新分析】

戦後80年の亀裂:『サンフランシスコ平和条約』排除の記憶と中国が掲げる新国際秩序の脅威【2026年最新分析】に関する専門家の意見を丁寧に解説いたします。

東シナ海に浮かぶ尖閣諸島(中国名:釣魚島)をめぐる対立も、この歴史的脈絡と無縁ではない。日本側は1895年に現地調査を行い、他国の支配が及んでいないことを確認した上で正式に領土へ編入した「無主地先占」の立場をとる。サンフランシスコ条約においても、同諸島は北緯29度以南の南西諸島の一部として米国の施政権下に置かれ、1972年の沖縄返還協定によって日本に施政権が返還された。

一方の中国は、同諸島が1895年の日清戦争末期に「不当に略奪された台湾の付属島嶼」であると主張する。したがって、カイロ宣言に基づき返還されるべき対象であり、自国が参加していないサンフランシスコ条約による米国の施政権設定や日本への返還そのものが無効であるとの立場を崩さない。ひとつの島をめぐる議論が、戦後処理の根本的な妥当性にまで波及している。

関連記事