昭和の水泳大会「ポロリ」は演出か?テレビ史のタブーと規制の真相
ネット上や回顧談では「あの有名アイドルも胸が露出したのではないか」という都市伝説がしばしば囁かれます。しかし、これらは明白な事実誤認です。松田聖子、中森明菜、小泉今日子といった当時のトップアイドルが、テレビカメラの前で胸を露出させた事実は記録上存在しません。
大手芸能事務所は、自社の看板タレントにそのようなリスクを絶対に負わせませんでした。もしトップアイドルが露出事故を起こせば、スポンサーへの配慮やイメージ失墜によって莫大な経済的損失が生じるためです。水着の着用義務こそあったものの、人気アイドルたちには何重もの両面テープや特注のインナーガードが施され、絶対にアクシデントが起きないよう厳重な防護策が講じられていました。
では、画面の中で胸を露出していたのは誰だったのか。その正体は、俗に「ポロリ要員」と呼ばれた、売り出し中の無名タレント、グラビアモデル、レースクイーン、あるいは番組専属のエキストラたちでした。
彼女たちには、通常の出演料とは別に「特別手当(アクシデント手当)」が支給される不文律が存在していました。当時の関係者の証言によれば、相場として数万円から十数万円程度の手当が上乗せされ、番組のエンドロールに名前を掲載してもらうことや、次のバラエティ番組への出演枠をバーターで獲得することを目的に、自らの意思で役目を引き受けていたケースが大半でした。過酷な芸能界で顔と名前を売るための「踏み台」として、演出を承諾していたという生々しい実態があったのです。