中村莟玉の結婚・熱愛と異例の養子入り|驚愕の経歴を徹底解剖
歌舞伎の名門・高砂屋(たかさごや)の歴史において、中村莟玉の歩みは重要な転換点を示しています。高砂屋のトップである四代目中村梅玉(重要無形文化財保持者=人間国宝)には実子がおらず、一門の芸と精神を誰に受け継がせるかが長年の焦点となっていました。
2019年11月、歌舞伎座「吉例顔見世大歌舞伎」において、中村梅丸は四代目梅玉の養子となることが発表され、同時に「初代 中村莟玉」を襲名しました。「莟(つぼみ)」という文字には、「まだ開いていないつぼみが、やがて大輪の花を咲かせるように」という梅玉の深い願いが込められています。
歌舞伎の家系図における血縁主義は極めて強固ですが、養子縁組を通じて芸統を継承する事例は、過去にも六代目中村歌右衛門や初代中村吉右衛門の時代から連綿と行われてきた正統な伝統的手法です。血のつながりを超え、芸の適性と人格を見極めて家を託した梅玉の決断は、関係者のみならず一般の観劇ファンの間でも大きな称賛を浴びました。