中森明夫の現在と伝説|おたくの生みの親が語るカルチャーの真髄

中森明夫の現在と伝説|おたくの生みの親が語るカルチャーの真髄にまつわる最新トピックを詳しく紐解きます。

中森明夫の批評活動のもう一つの巨大な柱が、40年以上にわたるアイドル批評です。1980年代の松田聖子、中森明菜、岡田有希子、おニャン子クラブに始まり、平成のAKB48グループや坂道シリーズ、そして令和のライブアイドルやK-POP隆盛に至るまで、彼は常にアイドルとファンの関係性を文化社会学的に観察し続けてきました。

彼のアイドル論が他と一線を画すのは、単なる楽曲や容姿の品評ではなく、「少女が時代の欲望を背負って虚構を生きる切なさ」や「ファンが自らの実存を賭けて他者を推す心理構造」を鮮やかに言語化する点にあります。1986年に上梓された単行本『アイドルになりたい』は、まさに昭和アイドルブームの爛熟期における少女たちの情念とメディアの共犯関係を抉り出した名著として語り継がれています。

現在の「推し」「推し活」という言葉が一般化する遥か前から、ファンが対象に向ける過剰な情熱を肯定しつつ、その狂気と美しさを批評の対象として昇華させてきた功績は極めて大きいといえます。

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