自衛隊銃乱射事件の深層:X(旧Twitter)を駆け巡った「犯人特定」の真実と拡散の病理
犯人の動機や背景を突き止めようとするユーザーたちの動きは、次第に暴走の様相を呈した。卒業アルバムの写真とされる画像や、容疑者の家族・親族のSNSアカウントとされるリンクが次々と投稿され、無関係な一般人が加害者の親族として晒し上げられる事態も発生した。
個人情報が特定されるスピードは早かったが、その精度は極めて低かった。間違えられた人物やその家族には、見知らぬアカウントからの誹謗中傷や脅迫めいたメッセージが殺到。ネット上の「正義感」に基づいた私刑(デジタル・ヴィジランティズム)が、全く無実の犠牲者を生み出すという最悪の二次被害を引き起こしたのである。