実は日本発祥?ヴィトンの市松模様「ダミエ」誕生の衝撃真相を徹底解説
ルイ・ヴィトンを代表する柄といえば、創業者イニシャルをあしらった「モノグラム」を思い浮かべる方が大半かもしれません。しかし、歴史の年表を正確に紐解くと、市松模様の「ダミエ」が誕生したのは1888年であり、1896年に発表されたモノグラムより8年も前に製品化されています。
ダミエ誕生の背景には、19世紀後半のヨーロッパを席巻した一大ムーブメント「ジャポニスム(日本趣味)」が存在します。当時、1867年や1878年に開催されたパリ万国博覧会において、日本の浮世絵や漆器、染織品、家紋などの幾何学的な装飾美がフランスの知識人や芸術家たちに絶大な衝撃を与えました。
創業者のルイ・ヴィトンと、その息子であり2代目経営者となったジョルジュ・ヴィトンもまた、この日本美術の洗練された美意識に強く魅せられた表現者でした。当時流行していたトランクのストライプ模様(レイエ・キャンバス)が他社に模倣され悩まされていたジョルジュは、日本の歌舞伎や伝統織物に見られる格子柄、すなわち「市松模様」からインスピレーションを受け、ベージュとダークブラウンの格子が連続する新しいキャンバスを考案しました。フランス語で「チェッカー盤(碁盤・チェス盤)」を意味する「ダミエ(Damier)」と名付けられたこのデザインこそが、ブランド初となる意匠登録されたシグネチャーラインです。