妊娠9週エコーで無脳症は判別できるか?画像診断の限界と確定の時期
人気医療漫画およびドラマ『コウノドリ』でも深く描かれたように、無脳症という診断は産科医にとっても、受け取る家族にとっても極めて重く、切実な問いを突きつける。命の選別や生殖医療の倫理を巡る議論は、決して机上の空論ではない。
元日本産科婦人科学会理事長であり、長年にわたり日本の成育医療や母子保健政策を牽引してきた吉村泰典氏は、近年の周産期医療産業の急速なデジタル化と高度化に対し、技術の進化がもたらす情報量の過多と親たちの心のケアの格差について警鐘を鳴らし続けてきた。画像解析技術がどれほど細部を映し出そうとも、診察室で患者の不安を受け止め、寄り添う医療者の人間的な対話こそが不可欠であるという事実は変わらない。