尾崎紀世彦『また逢う日まで』歌詞の真実!阿久悠と筒美京平の名曲秘話
本作の歌詞が当時、そして今なおリスナーの心を掴んで離さない最大の理由は、従来の歌謡曲に多かった「未練や涙に暮れる別れ」を真っ向から否定した点にあります。また逢う日までの歌詞解釈において極めて重要なのが、冒頭の「また逢う日まで 逢える時まで」というフレーズと、サビ前に登場する「ふたりでドアをしめて ふたりで名前を消して」という印象的な描写です。
阿久悠氏が紡ぎ出した言葉は、男女が対等な立場で互いの未来のために選んだ別れを鮮やかに描き出しています。過去の思い出にしがみつくのではなく、二人が過ごした部屋のドアを自らの手で閉め、未練を断ち切ってそれぞれの道へ歩き出す――そこには、お互いの尊厳を守り抜く大人の潔さがあります。湿度の高い情念が主流だった時代に、ドライでありながら情熱的な歌詞の意味を提示した阿久悠氏の手腕は、まさに革命的でした。